お店のLINE公式アカウントを開設したものの、友だちがなかなか増えない。レジ横にQRコードのポスターを貼り、会計のときに声をかけても、登録してくださる方は一部にとどまる。店舗の販促担当の方からよく聞く悩みです。
友だちの増え方は、呼びかけの熱心さよりも 「友だちになる場面」をどこに置くかで大きく変わります。この記事では、店舗でのLINE友だち獲得を言葉の定義から整理し、お店のサービスを使う流れの中で友だちになっていただく仕組みと、呼びかけ型との違い、整理券を入口にした matoca の実例を紹介します。
店舗での「LINE友だち獲得」の定義
この記事でいう「LINE友だち獲得」とは、来店されたお客様に、お店のLINE公式アカウントを友だち追加していただくことです。友だちになっていただくと、お店からメッセージやクーポンを届けられるようになります。
ここで大事なのは、友だちの数そのものではなく、友だちになっていただいた後に連絡が届く関係ができることです。LINEヤフーは、LINE公式アカウントを販促・コミュニケーションの窓口として使い、継続的な情報発信で再来店を促せると説明しています(LINEヤフー for Business「LINEミニアプリ」)。
そのため、友だち追加は「お願いして登録してもらうもの」と考えるより、お客様にとって自然な流れの1コマとして設計するほうが、お客様にとっても受け入れやすくなります。
利用の流れの中で友だちが増える仕組み

利用の流れの中で友だちになっていただく仕組みの中心にあるのが、LINEミニアプリです。LINEミニアプリはLINE上で提供できるウェブアプリケーションで、アプリのダウンロードや面倒な会員登録なしに使えるとされています(LINEヤフー for Business「LINEミニアプリ」)。
流れは次の3段に分けると分かりやすくなります。
1. 入口:店頭のQRコードから開く
店頭のPOPや看板のQRコードからLINEミニアプリを開けるので(LINEヤフー「LINEミニアプリとは」)、読み取るとその場でお店のサービスの画面が開くわけです。
2. 利用:サービスを使うついでに友だち追加
LINEヤフーは、LINEミニアプリの利用とともに、ユーザーをLINE公式アカウントの友だちにスムーズに追加できると説明しています。ただし、友だち追加にはユーザーの許諾が必要です(LINEヤフー for Business「LINEミニアプリ」)。勝手に友だちになるわけではなく、サービスを使う画面の中でお客様ご自身が選ぶ形です。
3. その後:通知と配信を使い分ける
LINEミニアプリには、順番の呼び出しなどをLINEで知らせる通知機能があります(LINEヤフー for Business「LINEミニアプリ」)。ただし、この通知(サービスメッセージ)はユーザーの操作に対する確認や応答としてのみ送信でき、割引クーポンやプロモーションの通知は禁止されています(LINEヤフー「サービス事業主のためのノウハウ」)。
宣伝は、友だちになっていただいたLINE公式アカウントから届けます。「用事の連絡」と「お店からのお知らせ」の窓口が分かれているので、お客様にとっても受け取る情報の区別がつきやすい仕組みです。
呼びかけ型の友だち集めとの違い
店舗の友だち集めは、大きく2つの形に分けられます。
| 観点 | 呼びかけ型 | 利用の流れに組み込む型 |
|---|---|---|
| 友だちになるきっかけ | ポスター・声かけ・特典 | お店のサービスを使うこと |
| お客様にとっての理由 | 特典が欲しいかどうか | 使う流れの中で選べる |
| スタッフの手間 | 声かけを中心にすると手間がかかる | 声かけに頼らない |
| 増え方 | 呼びかけの熱心さで波が出る | 利用者の数に比例しやすい |
呼びかけ型の弱みは、お客様に「いま登録する理由」が無いと素通りされることです。そこで友だち追加の特典を付けることがよくありますが、特典を付けるときは景品表示法にも目を配ってください。来店者にもれなく提供する金品などは「総付景品」にあたり、取引価額が1,000円未満なら最高額は200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2までとされています(消費者庁「景品規制の概要」)。
一方、利用の流れに組み込む型では、友だち追加がサービスを使うことの延長になります。特典で背中を押さなくても、使う人が多い場面に置けば、友だちが増える機会も多くなります。実際の増え方は、追加を選ぶ方の割合や、すでに友だちになっている方の多さによって変わります。
店舗で実際にどう使われているか
LINEヤフーは、LINEミニアプリでできることとして、デジタル会員証、モバイルオーダー、来店予約・順番待ち、クーポン・スタンプカードなどを挙げています(LINEヤフー for Business「LINEミニアプリ」)。どれもお客様が来店時に自分から使うもので、ここに友だち追加の場面を置けるのが共通点です。
このうち順番待ちは、とくに相性のよい場面です。理由は2つあります。
- 使う理由がはっきりしている:行列に並ぶ代わりに整理券を受け取り、呼び出しを待てる
- 呼び出しの連絡を受け取る必要がある:お客様ご自身がLINEで連絡を受け取りたい状況にある
アプリを入れずに整理券を受け取れる仕組みは専用アプリ不要で使える整理券システムとは?で詳しく扱っています。
matoca での実例
matoca は、LINEで整理券を発券し、順番が近づくと呼び出すサービスです。matoca 公式サイトでは、整理券発行の導線にLINE友だち登録を自然に組み込む設計と、獲得した友だちに新商品・イベント・クーポンなどの情報を配信して再来店を促す使い方を紹介しています(matoca 公式サイト)。
matoca の利用実績では、整理券の利用者の約90%がLINE公式アカウントの友だちになります。ある新店では、開店から5ヶ月で友だちが3万人超に達し、その50%がミニアプリ経由でした。いずれも、整理券を受け取る手続きの中に友だち追加の場面を置く matoca の導線を採用した店舗での実績です。
導入店舗の事例(友だち数が2倍以上になった店舗など)は行列店の待ち時間対策は、短くするより「見えるようにする」で紹介しています。
全国の店舗・施設が共通で使う matoca のLINE公式アカウント(ベーシックプラン)の友だち数は、2025年11月に累計500万人を突破しました(matoca お知らせ)。ただし、これは共通のアカウントの数です。自店の友だちとして集めたい場合は、店舗・企業が独自のLINE公式アカウントで友だちを集める「専用プラン」が前提になります(matoca お知らせ)。
まとめ
店舗でLINE友だちを増やすときは、ポスターや声かけを増やす前に、お客様が自分から使うサービスの中に友だち追加の場面を置けないかを考えてみてください。
- 友だち獲得の目的は、数ではなく来店後に連絡が届く関係をつくること
- LINEミニアプリなら、サービスの利用と友だち追加を一続きにできる。ただし追加には許諾が必要
- 呼び出しなどの通知と、クーポンなどの宣伝は窓口を分ける
- 特典で誘うなら、景品表示法の限度額を確認する
順番待ちは、お客様がLINEで連絡を受け取りたい場面なので、友だち追加の入口として置きやすい場所です。行列対策と友だち集めを別々に考えず、1つの流れとして設計してみてはいかがでしょうか。
