整理券の使い方

4つのプランをご用意しています

まずは資料をご確認ください。

人手が足りない飲食店は、受付を「人の仕事」から外して回す

読了 約7分

「人手が足りない飲食店の受付」というコラムの見出し画像

ピークの時間に、受付に1人張り付けておく余裕がない。飲食店でよく聞く悩みです。けれども、受付でしている仕事を分けてみると、人でなければできないことは思ったより少ないことが分かります。

この記事は、受付に人を割けない飲食店が、受付の仕事をお客様の操作と自動の呼び出しに移し、スタッフの手元に残す作業を絞り込むための手順書です。ピークの形から仕組みを決める考え方は飲食店の順番待ちは、ピークの形から決めるに、行列が長い店の待ち方の変え方は行列店の待ち時間対策にまとめています。この記事は、その手前にある「そもそも受付に立つ人がいない」という前提から組み立てます。

人手が足りない飲食店の受付の実情

まず、全体の数字を確かめておきます。総務省統計局の労働力調査では、2026年7月の「宿泊業,飲食サービス業」の就業者は414万人で、前年同月より5万人増えています(総務省統計局「労働力調査(基本集計)2026年7月分 結果の概要」)。企業の人手不足感についての調査結果は飲食店の順番待ちで紹介したとおりで、非正社員については「飲食店」の改善が続いているとされています(帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」2026年8月17日公表)。

つまり、業界全体で働く人が減り続けているわけではありません。全体の統計から個々の店の事情は分かりませんが、受付に人を割けないと感じる店では、足りないのが人の総数ではなく、いちばん混む時間帯の手である場合があります。昼のピークの30分に、受付に1人、ホールに1人、洗い場に1人を置けるかどうか。これは自店の記録でしか確かめられません。

そこで、受付でしている仕事を分けてみます。

受付でしている仕事人でなければできないか移せる先
人数や席のご希望をうかがういいえお客様がタブレットで選ぶ
台帳に書く・番号を渡すいいえ発券と整理券の印刷
順番の目安を伝えるいいえ待ち組数の表示で、問い合わせを減らす
順番が来た方を呼ぶ一部だけ通知。店頭の方には声かけが残る
戻られない方を探すいいえ猶予と保留のルールを決めておく
席へご案内するはい残る
発券の操作に迷う方のお手伝いはい残る

ご案内と、店頭で待つ方への声かけ・操作のお手伝いは人の仕事として残ります。 それ以外を移せるかどうかが、受付に専任を置かずに済むかどうかの分かれ目です。

受付を人から外す前に決める4つのこと

仕組みを比べる前に、この4つを決めてください。

1. 受付の窓口をいくつにするか

窓口を増やすほど便利に見えますが、案内する側の判断は増えます。すしの美登利では、以前のシステムで店頭の端末とウェブの両方から受付をしていたところ、入店案内のオペレーションが複雑になり、呼び出し順に不公平感を覚えるお客様もいました。matoca に切り替えたあとも、受付は店頭だけに絞っています(LINEヤフー for Business「すしの美登利 導入事例」)。

人が少ない店ほど、窓口は1つから始めてください。 店の外からの受付は、仕組みとして開けられても、開けるかどうかは別に決められます。

2. お客様に何をしてもらうか

受付を人から外すというのは、受付の操作をお客様にお願いするということです。すしの美登利の店頭では、お客様がタブレットの発券ボタンを押すと、受付番号とQRコードが入った整理券が印刷されます。そのQRコードをスマートフォンで読み込むと、LINE 上にデジタル整理券が発行されます。

ただし、全員がスマートフォンの側まで進むわけではありません。matoca の実測では、整理券を受け取った方のうち通知の連携まで進むのは18〜21%です(紙の整理券はやめなくていい)。紙の番号だけを持って店頭で待つ方への声かけは残る、と見込んでおいてください。

3. 呼び出しをいつ、何回送るか

通知で呼ぶなら、送る時点と回数、応答がないときの扱いを先に決めます。すしの美登利では、順番が残り5番目になった時点で呼び出しのメッセージを送り、反応がなければもう一度送ります。30分たっても店頭にいらっしゃらない場合は、受付キャンセルのメッセージが届きます。同社は、数回に分けてメッセージを送っていることもあり、導入後に順番待ちに関する大きなクレームはないと話しています。

仮にこれをスタッフが手作業で行うとすれば、呼び出しのたびに受付の手が止まります。

4. スタッフに残す操作を1つに絞る

最後に、スタッフが画面で何をするかを決めます。残す操作は1つに絞ってください。 matoca の場合、スタッフの操作は席へご案内したときに「案内完了」ボタンを押すことだけです。押し忘れたときに何が起きるかは飲食店の順番待ちに書いたとおりで、研修の中心はここになります。

受付を人から外していく流れ

いちばん混む日に全部を切り替えないでください。4段に分けます。

店の入口で来店された方が発券用のタブレットを操作し、奥でスタッフが料理を運ぶイラスト
発券はお客様の手元で。スタッフはご案内と料理に手を回せる

第1段:受付の仕事を1日だけ書き出す。 ピークの時間に、受付のせいでホールや厨房の手が止まった回数を正の字で数えます。何に止められたか(聞き取り、呼び出し、戻られない方を探す)も分けて書いてください。この記事では、この中断回数を切り替えの前後を比べる基準にします。

第2段:発券をお客様の操作に移す。 店頭にタブレットとプリンターを置き、お客様に発券ボタンを押していただきます。この段では、呼び出しはこれまでどおり声で行って構いません。確かめるのは、スタッフが説明しなくてもお客様が発券できているかどうかです。

第3段:呼び出しを通知に移す。 呼び出しの時点・回数・キャンセルの基準を店頭に掲示してから始めます。店頭で待つ方への声かけは残るので、誰が声をかけるかも決めておきます。

第4段:残った仕事を数え直す。 第1段と同じ書き方で、手が止まった回数を数えます。比べるのは来店組数の近い日どうしです。残った仕事がご案内と「案内完了」、店頭での声かけ程度になっていれば、受付に専任を置かずに回せる形に近づいています。

matoca での実例

店舗受付で困っていたことmatoca での形
すしの美登利窓口が複数で案内が複雑受付は店頭のみ。お客様が発券し、呼び出しは最大3回のメッセージ
廚 菓子 くろぎ一日200人以上が来店し、紙台帳で順番を管理多いときで3割あったキャンセルによる機会損失を解消

(matoca 導入事例、LINEヤフー for Business、ダイヤモンド・オンラインより)

一日200人以上が来店する廚 菓子 くろぎでは、紙の台帳で順番を受け付けていた頃、多いときで90組中30組がキャンセルになっていました(ダイヤモンド・オンライン「行列ができるかき氷店が3割もの機会損失を解消した『手探りのDX戦略』とは」)。待ち方がどう変わったかは行列店の待ち時間対策で紹介しています。すしの美登利では、導入時にブレイブテクノロジーが店舗スタッフへの操作説明を行い、以前のシステムからの切り替えもスムーズだったと振り返っています。

2店に共通しているのは、受付を人が抱え込まない形にしたことです。発券はお客様が、呼び出しは仕組みが受け持ち、スタッフの手元にはご案内と「案内完了」、それに店頭で待つ方への声かけが残ります。

まとめ

受付に人を割けない店が先に決めるのは、機能ではなく4つの線引きです。窓口をいくつにするか、お客様に何をしてもらうか、呼び出しをいつ何回送るか、スタッフに残す操作を何にするか。

そのうえで、書き出す → 発券を移す → 呼び出しを移す → 数え直す、の順に1段ずつ進めてください。受付に立つ人を増やす代わりに、受付でしている仕事を減らす。 人手が足りない時期に効くのは、こちらの解き方です。

出典

  1. 総務省統計局 労働力調査https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf/2026年9月24日 取得
  2. 帝国データバンクhttps://www.tdb.co.jp/report/economic//2026年9月24日 取得
  3. LINEヤフー for Business(すしの美登利 導入事例)https://www.lycbiz.com/jp/case-study/line-mini-app/sushinomidori//2026年9月24日 取得
  4. ダイヤモンド・オンライン(廚 菓子 くろぎ 導入事例)https://diamond.jp/articles/-/289090/2026年9月24日 取得
  5. 株式会社ブレイブテクノロジー(matoca 導入事例)https://junbanmachi.jp/case//2026年9月24日 取得

関連する記事

コラム一覧へ戻る